admin のすべての投稿

パッケージソフト導入時の注意

企業内のシステムにパッケージソフトを導入して、いろいろなことをさせようとするのは良くあることです。会計計算用のソフトなど、店で売っているようなものではなく、例えばSAPのような大規模なソフトについてのことです。

こういうパッケージソフトを使用することは新しいものを全く一から構築するよりも効率的でしょう。でも、勘違いしやすいのが、そのパッケージソフトを買ったら、ソフトもメーカーが、こちらでちゃんと使えるようにあとはやってくれるだろう、なんて思ってしまうことです。

システム構築の上で難しいのは、ソフトメーカーが行うことよりも、受け入れる側が準備しなければいけないもろもろの仕事にあります。大抵の会社は社内の伝票にその会社独特のものを使ってたりします。また、仕事の仕方も古いシステムの合うようなものだったりします。

システムを変更するためには、今までの伝票類、仕事のやり方全てを見直す必要が出てきます。また、これらを一切、見直さないというのも、一つの判断ですが、それはそれで、社内の合意を取り付けるのに苦労したりします。

高いお金を払って、システムを構築しようとしても、ソフトメーカーは結局はこちらからいろいろな指示を出し、具体的な資料を出さないと何もやってくれません。受け入れ側にそのシステムが対応する関連業務全般について、熟知しているかその関連部署に言うことを聞かせるだけの人がいないと、システムの開発は袋小路に入っていってしまいます。

ソフト開発費用というのは人件費です。開発期間中、ソフトメーカーは顧客に人員を派遣しますが、大手だと、1か月に一人当たり、200万、300万という費用を請求されることもあります。

そういう人間が顧客の指示を待って長期間ブラブラしているということも起こりかねません。

データの入手方法

コンピューターで扱うデータは正確でなければなりません。また、抜けがないようにする必要があります。

生産管理システムなどの場合、この必要なデータをどうやって入手するか、というのが難しい問題になる場合が多いです。

例えば、自動化されていない生産ラインで、加工品の進捗管理をするシステムの場合、ある加工場所に到着した時、出発した時に計算機に情報を上げる必要が出てきます。その為、人が加工品に取り付けられているタグやバーコードの情報を読み取る必要が出てきます。それが面倒ならば、自動で読み取れるように機器を改造する必要が出てきます。この時、加工時間が非常に短いものの場合には、この読み取り時間の追加による生産性の低下が問題になったりします。

人手によるデータ入力の場合には明らかにその時間が新たに必要になるわけですから生産性は下がってしまいます。その今までやっていなかった作業を新たに追加してまでやる価値があるのかどうかを判断しなければなりません。

主要CAEプロジェクト

有限要素解析を行うためには、3DCADデータの作成→変換→メッシュ作成→条件設定→計算→表示という作業が必要になります。それぞれが独立したソフトウェアになっており、通常のCADのようにボタンを押して数値を入れれば、計算してくれる、という単純なものではありません。ソフトウェアのコードを直接打ち込まなくてはならない、場合も多くあります。

これらの作業全体を行うオープンソースの大規模なシステムも数多くあります。ここでは、その中で有名な幾つかのソフトについて紹介します。

1.Open Source CAE (FEM)

(1)国内プロジェクト

アドベンチャー・プロジェクト

東京大学を中心に日本に主要な研究機関が協力して行われているプロジェクトです。あの地球シミュレーターや京もここで開発されたソフトウェアが使用されています。ソフトウェアの更新は余り進んでいないようです。ネットで検索しても、なかなか出てこないので、認知度は非常に低いように思います。

このプロジェクトでは、解析に必要なソフトが全て、このプロジェクトのために新たに開発されています。その中には無料の3DCAD(VCAD)も含まれています。

DEXCS

岐阜高専、デンソー開発部を中心に行われているプロジェクトです。アドベンチャ・プロジェクトと連携しているようです。ただ、アドベンチャーは関連する全てのソフトを独自に開発しているのに対し、こちらは、他のいろんなフリーのソフトも有効活用しようとしています。

(2)海外プロジェクト

  アメリカ、フランス、ドイツが中心になるようです。他にはノルウェーが頑張っていますが、これも、国による積極的な支援があるからです。フリーのものは、関連資料のメンテが不十分であったり、ソフトの更新が遅れていて、ソフト間の連携が難しかったりします。これらの中でやはり、そういう難点が少ないのはフランス電力公社がバックアップしているSALOMEーMECAではないかと思います。

Elmer(ノルウェー)

・Elmer公式HP

ノルウェーの国が関係する機関によって開発が続けられているプロジェクトです。

Z88(ドイツ)

・Z88公式HP

Calculix(フランス)

・Calculix公式HP

ダッソーシステムズ社のABAQUSに似ているので有名なソフトです。

FEniCS(アメリカ)

・FEniCS公式HP

ケンブリッジ、シカゴ大学等の欧米の大学、研究機関が連携して行われているプロジェクトです。

SALOMW-MECA(フランス)

・SALOMW-MECA公式HP

フランスの電力公社が開発しているソフトです。基本はlinuxですが、WINDOWSで使用できるものもあります。

LISA

・LISA公式HP

関連サイト

Autocadとよく似たソフト

Autocadの古い版のものと、良く似たソフトがいろいろ出回っています。
これは、昔のAutocadのソフトのコードが、お金を払えばだれでも買えるようになっているからです。
Draftsight、Corelcad、Aresがほぼ同じものです。
この3つは元はAresで、それぞれ別の会社から違う名前をつけられて提供されています。

3Dデータの入出力

3Dプリントサービス

3Dプリンタが最近よく話題に上がりますが、国内外に3Dプリントの受託サービスを行っている業者がたくさんあります。3Dモデルのデータがあれば、そういう業者に印刷を依頼すれば、簡単に造形化することができます。

外国の業者は3Dモデル作成のソフトメーカーと提携していて、モデル作成ソフトから直接依頼できるようになってところもあります。

3Dスキャナ

2次元のコピー機のように、3次元の形状を読み取る装置が数多く、販売されていますが、簡単に行う方法として、以下のような方法があります。
①Autodesk 123Catchというフリーのソフトを利用して写真(複数枚必要)を3Dデータに変換する。
②KinectというXBOXのセンサを3Dスキャナとして利用する。

  • Kinect

解析結果について

シミュレーションによる解析結果というのは、正しいかどうかは、本当は判りません。
単純なモデルでは、問題ないと思いますが、複雑な問題になると、モデル作成段階で、重要な条件を見逃していたりする可能性があります。

その為、複数のプログラムで検証したり、実際に試験をして確認する必要があります。そうやって、確認したものは、それ以後は、実際の試験を省略して、ソフトウェアによる検証のみで対応できるようになります。

実際のものは、特異点という、応力が無限大になったりする所がある場合が多いです。そういう場合には、そのポイントをどう処理していくか、を個別に検討しなければならなくなったりします。

その為、検証対象についての理論的な知識が必要になります。
理論的な知識があると、計算結果におかしな点があると判ります。
やはり、CAEは知識がない人でも、計算できるようにするための物ではなく、これを使用しなければ解けないような問題を解くためのものです。

有名な単機能ソフトウェア

ここでは、単機能で有名なソフトウェア例えば、表示(ポストプロセス)のみを行う有名なもの、メッシュ作成(プリプロセス)のみがを行うようなものを紹介します。

FEM解析を行うには以下のようなソフトが必要です。

  • モデル作成ソフト:CAD
  • メッシュ作成、条件設定:プリプロセッサー
  • 計算:ソルバー
  • 解析結果表示:ポストプロセッサー

先に紹介したプロジェクト対応のソフトは1つのソフトではなく、上記のような機能を果たす多くのソフトの集合体です。

下記を見てもお分かりになるように、これらのソフトはどこかの物好きな人間が作ったのではなく、大きな組織のバックアップを受けた一流の研究者達の共同作業の成果です。

ここでは、そういういろんなプロジェクトに使用されている、単機能だけど、優秀なソフトについて紹介したいと思います。

○メッシュ生成

・Netgen

Netgen公式HP

netgen_ICON

・GMSH Mesh Generator (フランス)

GMSH Mesh Generator公式HP

○可視化ソフト

・Paraview(米国)

paraview公式HP

データ分析と可視化のためのアプリケーション

・MayaVi

MayaVi公式HP

VTK を使ったフリーの可視化ソフトウェア

・Jgraph

Jgraph公式HP

高機能Javaグラフィックコンポーネント

・Visifire Microsoft

Visifire公式HP

○パラメータ自動最適化ツール

・DAKOTA Project

Sandia National Laboratories (米国)

数値解析ソフト

・FREEMAT

公式ホームページ

FreeMat プロジェクト日本語トップページ

商用パッケージのMATLABに似た、工学および科学アプリケーションのためのインタープリター型の行列指向開発環境で、視覚化、画像処理、プロッティングを提供します。

・GNU Octave

公式ホームページ

ダウンロード用パッケージ

  MATLAB 互換の数値解析ソフトウエア

・Scilab 数値計算システム(フランス)

公式ホームページ

・Rプロジェクト

公式ホームページ

オープンソースの統計解析向けのプログラミング言語と その開発実行環境

・MAXIMA  数式処理システム

公式ホームページ

・GNUPLOT

公式ホームページ

2次元、3次元のグラフを作成するためのコマンドラインアプリケーションソフトウェア

ソフトウェアの国内外の価格差

有力なソフトウェアは海外メーカーのものが多いです。その為、日本国内で販売するためには、日本語化対応の処置をしなければなりません。そして、国内の販売価格は外国での販売価格の3割増しぐらいになっています。

外国のソフトは日本語が使えない、と思っている方が多いのでは無いかと思いますが、そんなことはありません。表示がみんな英語のソフトでも、日本語の入力は普通にできます。よって、日本人向けの日本語の資料、図面を作成することはできます。

表示自体は日本語化できない場合が多いですが、英語版は元々多言語対応になっているものが多く、日本語にも対応しているものがあります。高額なソフトを購入される際には、日本語にも対応している英語版ソフトも調べられてはいかがでしょうか。

建築デザイン

よくマンションのちらしなどで、建築予定のマンションの写真のような絵が載っていることがあります。そういう絵は3DCADで、モデルを作った後、レンダリングを行い、Photoshopで画質を調整して完成させたものです。

絵を書いているのではなく、デジタルデータを処理して作られています。特にレンダリングは、特殊な数学的手法を使って複雑な計算を行い、三次元モデルを写真のように現実感のあるものに見せる技術です。

この時、モデル全体を現実感のあるものにするのではなく、できるのは、特定の視点から見た、一枚の絵に相当するものだけになります。

フリーのレンダリングソフトとしては、下記のようなものがあります。

  • Kerkytea

デザイン向けのソフトウェア

デザイン向けのソフトウェアとしてはAdobeのPhotoshopとIllustratorが非常に有名です。また、Corel社からも少し安い値段で、これらに対応するソフトが出ています。

Adobeのソフトの機能的に優れている点は、ラスター・ベクトル変換の機能をうまく使っている点にあるのではないか、と思っています。

Illustratorには正にこの機能を使った「画像トレース」という機能がありますし、Photoshopには、この機能をつかって、写真の中から、特定の部分だけを正確に切り出しその部分だけの色調を変換する、というところに使用されています。その他、高度な数学的手法を駆使して、いろんなことができる優れものです。

相当するフリーソフトとしては、GIMPやInkscapeがあります。GIMPがPhotoshopに相当し、InkscapeがIllustratorに相当します。

動画(アニメーション)作成

アニメーションを作成するためのソフトとしてまず思いう浮かぶのが、AdobeのPhotoshop、Illustratorです。Photoshopでは動画GIFが作れ、IllustratorではFLASHを作れます。これらは、HP上で公開することが可能です。

また、Photoshopに相当する機能を持つフリーソフトのGIMPでも同様にアニメーションの作成が可能です。

以上は、2Dのアニメーションの場合ですが、3Dのアニメーションもフリーソフトで作成可能です。日本ではMMD(MikuMikuDance)が一番有名でしょう。仮想アイドルの初音ミク関連で開発されたフリーソフトで、国内だけで数十万人のユーザーがいる、という話もあります。ただ、世界的には、一番有名なフリーの3Dアニメーションソフトと言えばBlenderでしょう。ただ、このBlenderは、ユーザーインターフェイスが独特で、初心者には、とっつきにくい、という欠点があります。本体は3Dモデル作成のソフトです。例えば、人が動くアニメーションを作るとしたら、その形を3Dで作成します。その後で、モデルの内側に骨に相当するものを組み込みます。その骨を動かすと、人体モデルが動くようになるのです。こうして、トイストーリーのような3Dアニメーションも作成することができます。また、MMDもBlenderも両方に言えることとして、大雑把に画像を切り取っても、その中間の画像を自動的に作成して、なめらかな動きにしてくれる、などの機能があります。

実際にアニメーションを作るのには、膨大な作業量が必要になってきますが、やる気さへあれば誰でもアニメーションを作成できる時代になってきています。

データフォーマットについて

CADデータには多くのデータフォーマットがあります。フォーマットというのは、データの保管方法のことです。2次元でも相当な数がありますが、これが3次元になるともっと多くなりややこしくなってしまいます。

まず、各ソフトウェアはそれぞれ独自のフォーマットを持っているのが普通です。ですから、いろんなメーカーから多くのソフトが発売されていますから、それだけの種類のフォーマットがありそうです。また、同じ名前のデータ形式、例えばdwgという非常に一般的なCADのフォーマットにおいても、毎年のようにマイナーな変更が加えられています。一つの会社内でも、複数の種類のCADが使われることは良くあります。これが、多くの会社間でとおいうことになると、大変なことになりそうです。

でも、実際は良く使われるフォーマットというものがあります。

フリーのソフトで問題となるのが、他のフォーマットに変換する機能が貧弱なところです。そのソフト独自のフォーマットでしか保存できなかったりするものがあったりします。そうすると、せっかく長い時間をかけてモデルを作成しても、他のソフトウェアで利用できなかったりしてしまいます。

また、顧客にそのデータをそのまま送っても使えないということがおきてしまいます。

商用の有料ソフトはその点、多くのフォーマットに対応しています。セールスポイントとして、多くのフォーマットに対応していることを挙げているものも多いです。フリーのソフトでデータ変換機能が貧弱なものでも、利用者の多いものは有志が
プラグインを作成して公開していたりします。3Dプリンタはほとんどのソフトで対応しているようなごく一般的なフォーマットに対応していますから、フリーのものも含めて大抵のソフトで作ったものは大丈夫のようです。

3Dファイルフォーマット

WordPressの開発環境

WEBの画面を作る際、単にhtmlとCSSだけで静的な画面を作るだけなら、Windowsに標準でついているNotepadだけでも、機能的には対応可能です。こういうエディターでコードを打ち込んで、保存する時にhtmlという拡張子を付けるだけです。

しかし、動的な画面を作る場合、PHPやデータベース、ASP.NETなどが使える環境を準備してやる必要があります。PHPはhtmlとは違い、別にソフトをPCにインストールしないと、動きません。

例えば、人気のCMSにWordpressがありますが、ソフト本体はPHPで記述されているため、PHPが必要です。また、データの管理を容易にするためにMySQLというデータベースを使っています。また、ウェブサーバーとして正しく動くかどうかを確認するために、ウェバサーバソフトも必要になってきます。

このWordpressの開発環境を構築するのに必要なソフトを一度にインストールできるパッケージソフトとしてはXAMPPがあります。これに相当するものとしてMAICROSOFT WEBMATRIXがあります。こちらも無料です。また、IBMが開発した無料の統合開発環境としてはECLIPSEというものもあります。WebmatiexやEclipse(イクリプス)にはエディターが付いているのでこのエディターを使うだけでもいいかも知れません。

Eclipseは,Windows向けに開発対象プログラミング言語別でパッケージングしたものです。これには日本語化プラグインがあります。

しかし、Windows環境のシステムを構築する場合、お金に余裕があればやはり定番のVisual Studioの購入がお勧めです。フル装備のものは百万円以上しますが、安いものは5万円代で売っています。

Javaの開発ツールとしては、JDT(Java Development Tools)があります。

・XAMPP
・WEBMATRIXの説明書
・Eclipse MergeDoc Project

QCサークル活動

私が新入社員として入った会社は、QCサークル活動が盛んでした。自動車部品メーカーだったこともあり、トヨタ自動車などの指導もあったと思えます。

しかし、最近はあまりQCサークルのはなしは聞かなくなりました。QCサークルは定時後に、自主的に行う活動とされていましたが、定時後のQCサークル活動に対して残業代を支払わない7のは、違法であるとの、判決が出て、一気に白けてしまった感じがします。

また、海外でも日本のQCサークルに似た活動がいろいろ行われていて、世界的にみれば、そちらの方がメジャーだったりします。

QCサークル活動を行う上での基本的な方法というのは、仕事全般に適用できるものでそれを新入社員の頃に教えてもえない、というのは非常にもったいないことだと思います。

昔は、QCサークル活動等で、問題発生時の対応のしかたというものに、社内で一定の共通認識が
がありました。

それは、やり方の問題点を改善し、人は責めない、ということでした。
最近は、そういうことは共通認識としてはありません。

工場の自動化

私は半導体工場の自動化に長年携わってきました。工場の自動化を行うためには、多くのことをしなければいけません。まずは、装置の自動化があります。そして、これらを自動で制御するための計算機システムが必要です。装置の自動化を行うためには、個々のメーカーと自社の計算機システムとの間でやりとりする情報の仕様について取り決めを結ぶ必要があります。また、システム会社に計算機に必要な仕様を提示して、システムを作りこんでもらう必要があります。全体としては、非常に複雑なシステムとなるため、一人の人間が、全体にわたって詳細を把握することが難しくなります。その為、多くの専門技術者が連携して業務を進めていく必要があります。

昔、製造ラインの自動化については、会社の幹部に異議を唱える人たちが、少なからずおりました。その頃は、半導体のウェハも、液晶用のガラス基板も手で運べるものでしたから、そういう話がでてきたりもしました。

半導体ではありませんが、今の液晶のガラス基板は巨大です。それを運ぶ為に、大型トラックのようなロボットが使われています。そんなものを間違っても人手で運ぼうとするようなことを考える人はいないでしょう。台湾、韓国の最先端の半導体工場を知ってる人も、設備投資を中途半端にけちって、人で運べとは言わないと思います。

私は、半導体から離れて、他の産業でも、自動搬送機器の導入などの自動化が進んでいることを知って、かなり驚いています。そういう、最先端の技術を積極的に導入してきた企業のみが今も生き残っている、ということだと思います。

合併時のシステム統合

合併時のシステム統合の悪い例として有名なのが、みずほ銀行発足時のシステム統合です。各社のシステムをそのままににして、統合前の各社のシステムのデータを変換するようなシステムを作って対応しました。その結果、余計な処理が増えて計算機の負荷が増大し、数々の重大なトラブルを引き起こしました。

私も以前企業、在籍していた企業の合併時のシステム統合の様子を見てきました。最初は、合併前のシステムを廃棄して、新たなシステムに乗り換えようとしていましたが、結局は、従来のシステムを完全に廃棄することができず、他に中途半端なシステムがもう一つできて、何だか訳の判らないような状況になってしまいました。同じような働きをするいろんなシステムがあって、社内のシステムの全体を把握している人間は誰も居なかったのではないか、と思っています。

 システム統合を阻んだ最大の問題は、合併した2社の製品の番号体系の違いでした。しかし、製品の番号体系を統一することは、顧客にも影響することなので、システム部門だけではなく、会社全体で対応すべき問題でしたが、システム関係の課長に丸投げされて、進展していきませんでした。

データの監視

計算機に入力するデータが信頼できるもの、例えば、データベース中の製品のデータなどの場合には問題がないのですが、人が手で打ち込んだようなデータの場合には入力ミスがどうしても避けられません。その場合、計算機がエラーとして跳ねてしまったり、間違って解釈して、誤った指示を出したりしかねません。

その為、そういうデータを発見したら、そのデータに関係する作業を中止させ、データの修正をしなければならなくなります。関係者に連絡を取って、適切な処置を依頼するような作業が必要になりますから、監視員をつけておく必要があります。

データベースの構築

計算機というのは、主にデータの箱として使用するものと、複雑なロジックが売りのものがあるような気がします。

データの箱として使用する場合、データの構成をどうするかで、処理速度が大幅に変わってきます。

メンテナンスしやすく、判りやすいように、きれいな形でデータベースを作っても、処理速度が遅くなってしまって、少しでも処理速度を上げようと、試行錯誤しているうちに、データベースの構造が複雑なものになってしまうこともあります。

複雑なロジックが売りのシステムでは、肝腎の部分がブラックボックス化されていたりします。昔、担当していたSCM関係のシステムは、中核の部分がIBM製でブラックボックス化しており、手を加えることができませんでした。複数のシステムから情報をもらい、あるロジックに基づいて処理します。そこでは、データベースの構造などではなく、どういう計算式を使うかが問題になってきます。

国内での最先端技術情報の入手困難さ

日本国内で欧米の最新の規格類を無料で閲覧できる場所はあまりありません。以前、航空機関係の製品を検討するために、関連規格をチェックする必要があり、どこで見れるか調べていたことがあります。探していたものが実際にあったのは、国立国会図書館だけでした。(地元の公共図書館には、古いものはありましたが、最新のものはありませんでした。)

日本のJISはネットで無料で簡単に見れます。その他、アメリカのMILなども、同様にネットで見られ、JISは無料でダウンロードできませんが、MILは無料ダウンロードも可能です。でも、主要な規格で無料なのは、この2つくらいです。 海外のサイトにアクセスしてお金を払えば、海外の規格もいくらでも入手可能です。多くの技術情報と言っても、規格の類でも、入手するためには多くのお金が必要です。また、費用に見合う内容のものなのかどうかを確認することができません。

公共の図書館では専門書の蔵書は貧弱極まりない状況です。確かに、技術関係の専門書なんかは、普通の人は見ないでしょう。だから、そんなものに金は掛けられないということなのかも知れません。棚に並んでいる本は初心者向けのものばかり。学生など、お金がないものは、最新のものを深く勉強することができない状況です。

ネットで大抵のことは調べることはできるようにはなってきていますが、やはり、ちゃんとした情報には対価を求められる場合がほとんどです。無料の情報には、やはりそれなりの価値しかありません。