有限要素解析を行うためには、3DCADデータの作成→変換→メッシュ作成→条件設定→計算→表示という作業が必要になります。それぞれが独立したソフトウェアになっており、通常のCADのようにボタンを押して数値を入れれば、計算してくれる、という単純なものではありません。ソフトウェアのコードを直接打ち込まなくてはならない、場合も多くあります。
これらの作業全体を行うオープンソースの大規模なシステムも数多くあります。ここでは、その中で有名な幾つかのソフトについて紹介します。
1.Open Source CAE (FEM)
(1)国内プロジェクト
アドベンチャー・プロジェクト
東京大学を中心に日本に主要な研究機関が協力して行われているプロジェクトです。あの地球シミュレーターや京もここで開発されたソフトウェアが使用されています。ソフトウェアの更新は余り進んでいないようです。ネットで検索しても、なかなか出てこないので、認知度は非常に低いように思います。
このプロジェクトでは、解析に必要なソフトが全て、このプロジェクトのために新たに開発されています。その中には無料の3DCAD(VCAD)も含まれています。
DEXCS
岐阜高専、デンソー開発部を中心に行われているプロジェクトです。アドベンチャ・プロジェクトと連携しているようです。ただ、アドベンチャーは関連する全てのソフトを独自に開発しているのに対し、こちらは、他のいろんなフリーのソフトも有効活用しようとしています。
(2)海外プロジェクト
アメリカ、フランス、ドイツが中心になるようです。他にはノルウェーが頑張っていますが、これも、国による積極的な支援があるからです。フリーのものは、関連資料のメンテが不十分であったり、ソフトの更新が遅れていて、ソフト間の連携が難しかったりします。これらの中でやはり、そういう難点が少ないのはフランス電力公社がバックアップしているSALOMEーMECAではないかと思います。
Elmer(ノルウェー)
ノルウェーの国が関係する機関によって開発が続けられているプロジェクトです。
Z88(ドイツ)
Calculix(フランス)
ダッソーシステムズ社のABAQUSに似ているので有名なソフトです。
FEniCS(アメリカ)
ケンブリッジ、シカゴ大学等の欧米の大学、研究機関が連携して行われているプロジェクトです。
SALOMW-MECA(フランス)
フランスの電力公社が開発しているソフトです。基本はlinuxですが、WINDOWSで使用できるものもあります。
LISA
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